親が絵本を読み聞かせる。そして話しかけ、お話の世界で遊び、スキンシップを行うことは、テレビやゲームをするより効果があり貴重です。読み手にとっても、音読による脳活性といった効果があり、おじいさん・おばあさんもぜひ、おすすめします。最近「文字が読めるが、本が読めない」「成績は良いが読む力、読解力が乏しい」と読書力の低下が指摘されています。家族で1日1冊の絵本で子どもの心(脳)に栄養を届けませんか。
1、図書館からとりあえず借りる ⇒ そして気に入ったら購入し財産にする。
2、誰でも最初はヘタ! ⇒ 恐れず・ゆっくり・毎日こつこつと。
3、めくるのを省略しない ⇒ 字がないからといってすぐに次のページにいかず子どもと
一緒に絵を楽しみましょう!
4、母音で読んであげると、やわらかく聞こえます。
あったとさッ! こんにちはっ! ←×語尾の読み方は注意・叱るイメージをがある
あったとァ! こんにちはぁ! ←○語尾に母音(あいうえお)素敵に・やさしく聞こえます。
5、これ!読んで! といったらチャンス!
何回も読んでと言ってせがむ時があります。これは、私達が好きな音楽を繰り返し聴くのと同じ行為を子どもは親に望んできています。繰り返しの中に新しい発見・創造がたくさんあります。時間の許すかぎり読んであげてください。
6、えほんは読むものではなく、読んでもらうもの!
何を読んであげたらよいか分からないときは、おはなし会や図書館カウンターまで気軽にお尋ねください。
素敵な、絵本に親子で出会う近道の参考にしてみてください。
1、まずは、図書館に行こう!
図書館にはたくさんの絵本があります。楽しそう!おもしろそう!を大切に選んでみましょう!また、図書館司書が選び方のアドバイスをいたします。気軽に、カウンターに申し出ください。また、以下の日程で定期的におはなし会をおこなっていまので、参考にするのも良いです。
★おはなし会 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ 毎週土曜日 午前11時〜午前11時30分
★ちっちゃい子向けおはなし会&おあそび会 ⇒ 第1・3水曜日 午前11時〜午前11時30分
※いづれも、無料で会議室で行なっています。開催日は、若干の変更がありますので、図書館だよりで確認の上参加ください。
2、まずは!絵本を読んでもらおう(聞き手になる)
一番良いのは、子どもに読んであげる前に、誰かに読んでもらうことです。絵本は元々、読んでもらうものなので、読んでもらうことで、絵と文がよく分かります。しかし、現実には読んでもらうことが難しいので、図書館のおはなし会で確認するのがベストです。その時に以下の部分に気をつけてみてください。
★絵と文がフィットしていて、絵だけ見てもお話しがわかる!
★読み手と聞き手が感動できる!
★おもしろい!
★お話しがくり返されている。
★絵本そのものが、こだわりがあり細部まで丁寧に作られている。
3、成人式を終えた絵本を
出版され続けて20年以上の絵本がおすすめです。ブックリストによっては20年と紹介している本もあれば30年と紹介されている本もあります。しかし、ざっと見回すと20年以上発行され続けていれば諸条件はクリアされていることが多く当館では薦めています。
みかたは、絵本の最後のページもしくは、見返しなどに初版の出版年もしくは発行年が記されています。分からないときは図書館にお尋ねください。
4、ぜひ、自分の好きな絵本を
読み聞かせは、読み手の思いが左右されます。ぜひ、これ!と思った本を読んであげてください。また、自分が子どもだった頃によく読んでもらった絵本も読んであげてください。そして、とっておきの1冊を親子で見つけてください。できれば、その子のためにも購入し嫁入り道具のひとつにしてあげてください。海外では、絵本は親から子・孫へと大切に受け継がれている所があるそうです。
5、昔話の絵本を選ぶ
昔話は「残酷だから」「お話しが長いから」「ページの構成上などでカット」などの理由で、勝手に大切な文化が原作とは違った物になっていることが多いので注意してください。迷ったら図書館へ行こう!そして、図書館司書に聞いてください。
そして、ぜひ親子で絵本で、昔話のおもしろさ、先人の知恵や失われつつある風俗や、習慣を感じてください。そして、日本だけではなく、異国の地を、昔話を原作とした絵本で、親子で空想の世界一周旅行をすることも、きっと素敵な体験になりますのでおすすめします!
6、ブックリスト・書評を参考に
毎日のご飯支度のようにどんな絵本を読んであげたらよいか?と迷った時や息詰まった時、さらには自分のセンスを磨くために!と思ったら吉日で、参考にしてみてください。おすすめの本は以下のとおりです。
『読み聞かせわくわくハンドブック』(著:代田知子/一声社)
『わたしの絵本論 0歳からの絵本』(著:松居直/国土社)
『絵本の森へ』(著:松居直/日本エディタースクール)
『読み聞かせおばさんの 絵本かれんだあ』(編集・発行:親子読書・地域文庫全国連絡会)
『えほん 子どものための500冊』(編集:日本子どもの本研究会絵本研究部/一声社)
『わが子をひざにパパが読む絵本50選』(著:桑原聡/産経新聞社の本)
『子どもが選んだ子どもの本』(編集:鳥越信/創元社)
※この他にもたくさんありますので、図書館カウンターに相談ください!!
1、親子のスキンシップ効果
子どもとのスキンシップの方法が分からないお父さん。仕事に追われて中々コミュニケーションがとれないお母さん。お説教して子どもを少し、ふびんに思ったあなた。なんとなく少し癒されたい親子。喜びを分かち合いたいとき。そんな時は、多くの言葉、たくさんのお金を使うことより、子どもをひざの上に乗せて絵本を読んであげてください。どんなものよりもきっと子どもにとって、世界一の素敵なプレゼントになることは、まちがいありません。
『絵本の森の魔法の果実』(編集:川端強/童話館出版)、『読書のススメ』(編集・発行:岩手県教育委員会)などは、世界でひとつだけの親子の読書体験が紹介されています。ぜひ、参考にしてください。
2、子どもの心(脳)の成長に効果的
子どもの脳(心)の成長過程において、絵本・すばなしなどのおはなしは、人間の生の声・息づかいがあり、聞き手の脳(心)に映像を作りだす効果があります。対して、テレビやゲームの世界は一方的な光の点滅と、単なる電子映像にしか過ぎません。本来人間が、人間として成長し発達していくべき脳(前前頭葉:脳の前面にあり、笑顔・言語・感性の場)を停止状態とします。これを繰り返していくことは、痴呆と同じ状態となることを田澤雄作先生は述べています(詳しくは「メディアを絵本にかえて」(ボランティア養成講座を参照))。
3、読み手は音読効果で脳活性
脳の中でもっとも大切な働きをする「前頭前野」(おでこのすぐ後ろにあり他の動物より発達し大きい)が活発に活動し良いことが『脳を育て、夢をかなえる』(著:東北大学教授医学博士川島隆太/くもん出版)に紹介されています。
このページを作成するにあたり上記、紹介の本と以下の本を参考とさせていただきました。
『絵本とは何か』(著:松居直/日本エディタースクール出版)
『わたしの絵本体験』(著:松居直/大和書房)
『幸福に驚く力』(著:清水真砂子/かもがわ出版)
『いま、子どもたちが あぶない』(著:斎藤敦夫・田澤雄作・脇明子・中村柾子・山田真理子/古今社)
文字が読めることと、1冊の本を読んで言葉の意味や、おはなしの世界を理解できることは違います。文字が読めるようになったからといって、「もうこの子は本が読めるようになった」と思い込んで読んであげないことが多くあります。子どもにとって一番よい環境は主に次のようになります。
ポイント
1、「もう、(この本)ひとりで読める」といわれるところまで、保護者が読んであげる。そして、言葉の意味などを聞かれたら、やさしく教えてあげる必要があります。つまり、物語の世界を一人で体験することは、大人が想像するよりも大変なのです。小さな胸に一杯積み込んでページをめくり想像をしていきます。これは、子どもにとって「はじめてのおつかい」以上であり「初めての一人旅」に匹敵します。ドキドキしたりワクワクしたり、時には道に迷ったりします。そんな時、身近な大人が、「子どもの読書」後押しをしてくれるのと、しないのでは今後の読書体験に大きく影響を及ぼします。
2、小学校を卒業するまで、もしくは「もう、(これからは、ずっと)もうひとりで読める」と言われるまでは読み聞かせをしてあげましょう。そして、絵本も大切ですが、小学生には1冊の物語(児童書)を大人が、読んであげることが、どちらかというと大切になってきます。
個人差がありますが、参考までに、小学3・4年生が、読書の分かれ道とも言われています。この時期の子どもはギャングエイジとも呼ばれ、学校や家庭での生活・習い事で自己主張と人間関係で何かともまれ、スキンシップを求めてくることが多くあります。ぜひ、この時期は1冊の本を通じてコミュニケーションをとってあげてください。
3、身近なところに本がたくさんあると、子どもは自然と本を開く傾向があります。つまり、自主的に興味のある本を手にとって読める「自由読書」の環境作りが必要になってくると『子どもの未来をひらく自由読書』(著:笹倉剛/北大路書房)で紹介されています。このことから、もっとも有効な場所である場所、図書館を活用しましょう。そして、親子で好きな本を週末に借りてきてみんなで読みあいましょう!
4、「もう小学○年生だから!なんでも良いから、読みなさい」主義はやめましょう。小学生の頃にこのような環境にあった子どもほど、成人後に読書嫌いになる傾向があるとのことです。 『読む力は 生きる力』(著:脇明子/岩波書店)の中で、子どもの頃に絵本を読んでもらい育った学生が増えてきて好ましい一方で「本を読むのが苦手」「自分で読むのはめんどう」「読もうとしても頭に入ってこない」といったことが報告されています。そして、評価の高い本、長く読み継がれてきた物語(児童書)を子どもに手渡していく大切さが興味深く記されています。
参考までに